ガラガラポンと、世界が変わる あの日と同じ道を、チノスケは歩いていた。 いつもの商店街。 あの時、占い師に声をかけられた場所も、まだそ…
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無意味の世界

緑の鼻血戦記 チノスケ青年期録⑤
それは、出ていくものだった 車内の広告に目をやる。景気のいい文句が並んでる。 「人生は楽しんだ者勝ち」「もっと自由に」「旅しよう」 …

緑の鼻血戦記 チノスケ青年期録④
それでもレールに、乗ってしまう 電車の揺れは、思考を削る。チノスケは車窓を見つめながら、何も考えないようにしていた。 ふと、こんなことを思う…

緑の鼻血戦記 チノスケ青年期録③
駅の音は、洪水になる 駅の構内に入った瞬間、音が、音が、音が── チノスケの耳に押し寄せる。 電車の発車ベル、案内放送、子どものはし…

緑の鼻血戦記 チノスケ幼少期録⑤
第五章:鼻の奥に咲く花 朝、いつもと同じ時間に目が覚めた。 けれど、どこか違っていた。 チノスケは、鼻の奥に“何か”がある気がしていた。…

緑の鼻血戦記 チノスケ幼少期録④
第四章:片道の風が吹く ──探しものは、帰り道を忘れさせる。 その日、帰り道の途中でチノスケは気がついた。 ポケットの中にあったはずのテ…

緑の鼻血戦記 チノスケ幼少期録③
──夢のなかで、何かが緑に染まっていた。第三章:クロロフィルの夜夜中に目が覚めた。部屋は真っ暗で、時計の針が何を指しているかもわからない。けれど、…

緑の鼻血戦記 チノスケ幼少期録②
第二章:ティッシュに宿る言霊 その日も、抽選機を回した。 赤は出なかった。けれどチノスケは、あの音を聞けただけで、少し落ち着いた気がした。 …

緑の鼻血戦記 チノスケ幼少期録①
第一章:はじめての抽選機 ──意味があるかどうかは、回してから決めたらええ。 赤い抽選機は、今日も静かにそこにあった。 商店街の端、小さな…