風に揺れる草原に立つ少年。頬を赤らめ、静かに正面を見つめる。背景には渦を巻く風と、文字の書かれた紙が舞っている。

緑の鼻血戦記|プロローグ

これは、ある商店街に生まれた──

鼻から緑の液体を流す少年の話。


誰もそれを鼻血とは呼ばなかった。
けれど、彼はこう言った。

「鼻がざわつくねん。ガラポンの音が、聞こえるねん。」


福引きの鐘が鳴るたびに、
一枚のティッシュに、
未来のしみが浮かび上がる。


──抽選機は、何かを選び、何かをこぼす。

最初に鼻血を出したのは、チノスケ自身だった。
ティッシュで押さえながら見上げた天井には、何も貼っていなかった。
赤く染まった指先よりも、彼の心を奪ったのは「緑」だった。

夏のはじまり。
商店街のはずれに置かれた一台の抽選機。
「空くじなし」の文字の奥から、チノスケを見つめ返していたのは──
ありえない色の、ありえない運命だった。

彼はまだ知らない。
その緑が、のちに「戦記」と呼ばれる物語の始点になることを。


このページは「緑の鼻血戦記」シリーズのプロローグです。
次章 ▶ 幼少期編:抽選機と運命のはじまり

大いなる無意味世界

  1. 無意味詩

    まつ毛がくりんとした天然アイラインの可愛いパグの正面イラスト。星のような光に包まれ、神々しい存在感を放っている。

    天然アイラインの誇り

  2. 無意味詩

    黒背景に白い太文字で「薄眉の民よ、立ち上がれ」と書かれた画像。眉毛の薄さに悩む人々へのメッセージ。

    ティント様は塗るもんやない、置くもんや ― 均一な未来へ ―…

  3. 無意味詩

    ねじれたバナナの駒が並ぶ幻想的な将棋盤

    🍌バナナ将棋詩(10詩まとめ)

  4. 無意味詩

    オセロ盤上で踊る黒パグとフォーンパグ、勝敗を背負った緊張のステップ

    運命の一歩で、体毛は裏返る。オセロダンス、開幕。…

  5. 無意味詩

    青信号の上であくびをするオレンジ色のカタツムリ。都会のビル街で静止している。

    青信号、カタツムリが止まる