青信号の上であくびをするオレンジ色のカタツムリ。都会のビル街で静止している。

無意味詩

青信号、カタツムリが止まる

🐌 無意味詩「青信号、カタツムリが止まる」

「急がなくても、間に合わない。」
──カタツムリは、青に気づかない。

カタツムリが止まっている。
信号は青だった。

けたたましいクラクションも、
せわしない歩道橋の影も、
彼の甲羅には届かない。

彼はただ、
進まないために生まれてきたのかもしれない。

都市の色はめまぐるしく変わる。
でも彼のリズムは、
たったひとつの雨音にしか合わせられない。

だから今、
世界の一部が、止まっているように見えるのは、
彼のせいではない。
止まったふりをしているのは、
おそらく信号のほうだ。

🚦ここでは、立ち止まることが正解。
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